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サファイアの低温加熱処理    
サファイアは通常、加熱処理が施されています。拡大すると、インクルージョンの状態でもある程度の判別が可能です。しかし、拡大検査のみでは加熱処理の判別は十分とはいえません。
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最近、一粒の美しいサファイアを入手しました。
サファイアによく見られるカラーバンド(色帯)が認められるものの、その色の鮮やかさは今日ではなかなか見かけることのない上質のものでした。

それだけでも十分に当店のルースとして購入する価値がありましたが、さらに興味が生じたのは、その石のインクルージョンでした。
通常、大抵のサファイアには加熱処理が施されており、インクルージョンの種類や大きさによっては、ルーペでそのインクルージョンが加熱により溶解もしくは変形しているのを確認することができます。
しかしそのサファイアには、非加熱サファイアによく見られる溶解していないインクルージョンによく似た 内包物が存在していました。

初めて会うその海外の業者は、「非加熱です」 とその国の著名な鑑別機関の鑑別書を見せてくれましたが、海外の鑑別書は注意が必要で、また、価格も非加熱サファイア相応の価格ではなかったので、恐らく低温加熱処理の石だろう、と判断しました。

しかし、暖かく濃い青色はやはり魅力的だったので、当店のルースコレクションのひとつとして加えることにしました。

その後国内の鑑別機関にそのピースを提出したところ、案の定、加熱処理が施されていました。
担当して頂いた鑑別士の方に尋ねたところ、そのサファイアの加熱の痕跡を認めるためには、拡大検査ではなく、より高度な検査が必要だった、とのことでした。

下に続きます。

■ 鑑別機関の選び方についてはこちらからどうぞ

 
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例えば、サファイアやルビーには比較的よく見られるインクルージョンに、シルク・インクルージョンがあります。

非加熱ルビーや非加熱サファイアの場合、加熱による変化がないため、シルクは溶解していません。
ルーペでは、ふわふわとした白っぽい雲のように見えることがありますが、さらに拡大の倍率を上げると、水平に走るシルクが確認できます。

以前に取り扱った非加熱サファイアは、シルクが虹色に輝き、顕微鏡でそれを観察したときには、その神秘的な美しさにしばし見とれたものです。

加熱するとこのシルクは通常は溶解するため、石の透明度が上がることが多く、それに従ってカラーもよくなるといわれています。

低温加熱処理、という言葉は、あまりよく知られていません。

「加熱されているのなら、低温でも価値は低くなるのでは?」 とお考えになるかも知れません。

ところが、例えばミャンマーのモゴク産の場合、非加熱石ほどではなくとも、低温加熱石も、加熱石の2倍以上の高値で取引されるといわれています。
通常の加熱処理のような高温を必要としないほどの高い品質を有する石なので、やはり通常の石よりも希少性は格段に高くなります。

日本では認知度の低い低温加熱石ですが、非加熱石よりは価格が抑えられており、彩度が高く明度が中程度の魅力的なピースもときおり見かけられるので、「誰が何と言っても、とにかく非加熱!」 ではない方は、このようなピースを選ばれるのもひとつのよい選択かも知れません。

ただし、資産価値を考慮に入れる場合は、低温加熱は非加熱に及ぶものではありません。
重要なルースコレクションの中の一石として選ばれる場合には、検査結果報告書の発行が行われる非加熱サファイアや非加熱ルビーをお選びになることがすすめられます。
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